鶴の恩返し








昔々、あるところに貧乏な若者が居りました。

彼の名前は榮と言いました。栄なのに、貧乏ってちょっと可哀想ですよね。

しかし、木こりというのはやはりそんなに儲かる仕事でも無い訳で・・・。

まぁ、人にも因りますが。榮は大変正直で、真面目で優しい青年でしたが、それ故に騙されたり、

利用されたりと踏んだり蹴ったりな人生を今まで歩んで来ました。

あぁ、なんて可哀想な男なのでしょう。


「・・・。あのさぁ。可哀想とか連発しないでくれるかなぁ。逆に凹むんだけど。」


榮!あなたは昔話の中の人物なんだから、凹むとか言わないの!!


「はいはい。ところで話進めよう?」


あぁ。そうですね。

ある日の事でした。仕事をしに、山へ行くとそこに真っ白な美しい鶴が罠にかかって、

バタバタともがいておりました。


「!大変だ!鶴がネズミ捕りにかかって・・・。ん?ネズミ捕り??」


はい。だってその方が面白いでしょ?


「面白さを求めるな!!森にネズミ捕りを仕掛ける奴がどこに居る!?」


あ!助けるんですか?


「当たり前だろう!罠にかかって可哀想な上に、ネズミ捕りにかかる鶴なんて羞恥的な姿・・・。

俺だったら耐えられない・・・っ!」


でも、罠を仕掛けた人もお仕事でした訳でしょう?業務妨害に為りかねないと思うのですが。

まぁ、私には関係無いのでどうでもいいですけど。


「黙れ!このままではやはり、この鶴が可哀想だ!大丈夫だぞ?今すぐ外してやるからな?」


心優しい榮は、そう言うと、手際良く鶴がかかった罠を外してやりました。


「もう、人に捕まらないように、気をつけて行けよ?」


鶴を抱き上げると、空へ放してやりました。鶴はさも嬉しそうに、榮の頭上をくるくると旋回してから、

やがて空高く飛んで行きました。


「よかったよかった。元気でなー!」



暢気なものです。何が「もう、人に捕まらないように。」ですか。

可哀想に、その鶴は、その日以来榮に心を奪われてしまったというのに。罪な男・・・。
 

「え?何か言ったか??」(本当に分かっていない。)


いいえ。なんでも・・・。

私の私情は今は置いて置きましょう。榮に春が来ることは良い事です。

今までが、今まででしたからね・・・。

えー。それから何日か経ちました。山にも田んぼにも、雪が降り積もりました。

あれ?今何月なんでしょう?季節感おかしいですね。


「昔話してる時点で、時代もずれてるんだから、そんな細かい事気にしないの。」


そうですかね?そうかもね。そういうことにしておきましょう。

そして、ちらちらと雪の降る晩の事、トントンと表の戸を叩く音がしました。


「ごめんください。お頼み申します。」

「はて?今頃誰だろう?」


(大声)開けちゃダメーーーー!!


「(びっくり)な、なんだよ・・・。」


いくら男でもこんな時間に簡単にドア開けちゃ、危ないわ。

仮にも一人暮らしなんだし!強盗とかだったらどうするの!?


「いや、でもなんか女の人の声だし、気の弱そうな感じだし・・・。」


まぁ!女の強盗だっているわよ!気の弱そうな声だって、演技かもしれないし!


「いやいや、用心深過ぎだろ。大体、このままじゃ話が進まないじゃないか。」


なんて事なの!?そんなどこの誰だか分からない女を信用して・・・。若い女には甘いのねっっ!

お母さんはそんな子に育てた覚えはありません!!


「おまえに育ててもらった覚えはない!誰がお母さんだ、誰が!!」


もういいわ!榮ちゃんなんか強盗に殺されて死んじゃえっっ!


「ちゃんって言うな!ちゃんって!どこの子どもだよ、おまえは・・・。

わかったよ。強盗だったら潔く死んでやるから、この話を続ける為にも扉、開けるぞ?」


ぷーんだ。


(戸を開ける)「・・・。えっと、君は?」

「すみません。少しだけお時間頂けないでしょうか?」

「へ?」

「ありがとうございます!私、艶と申します!」

「は?」

「今回お持ち致しましたのは、こちらの商品!!」

「はぁ。」

「簡単には手に入らない幻の名酒!!」

「・・・酒?」

「色が澄んでて綺麗でしょう?」


どうやら、強盗ではなくて押し売りのようですね。

そりゃぁそうか。榮は貧乏ですものね。強盗だったら、もっと金持ちの家を狙いますよね。


「・・・悪かったな。」

「・・・?誰と話してらっしゃるんですか?」

「あ、いや。」

「まぁ、挨拶はこのくらいにして。私、すごく寒いので失礼しますね?

今なら紀香が付いてくる!ってことで。失礼しまぁす!」

「え?あ、こら!勝手に入るなよ!

しかも君、自分のこと今、艶だって自己紹介したよね?紀香って誰だよ・・・」

「はぁー。生き返るぅ〜。」

「で、勝手にお茶飲むな!!」


なんなんでしょうね?この娘は。


「・・・知らないよもう。(ため息)」

「あ、改めまして。私、艶と申します。

道に迷って困っています。どうか、一晩泊めて下さい。お願いします。」


やっぱり紀香じゃなくて、艶なんですね。営業しながら旅してるんですかね?


「う〜ん。そういうことなら仕方が無い。

ごらんのとおりの貧乏暮らしで、何の持て成しも出来ないけど、それでもいいなら・・・。」

このお人よし・・・。

雪のように色が白く、ほっそりとした美人・・・。榮の好みドストライクね。

このスケベ!


「うるさい!少しは黙れ!」

「え?」

「あ、いや。気にしないで・・・。」

「ありがとうございます。私、お腹すいてるんですよね。」

「あ、残り物でいいならそこの鍋に・・・。」

「いっただっきまぁす!」

「準備早っ!」


厚かましい娘・・・。

えっと。そんなこんなで、あっと言う間に艶という娘は榮の生活に転がり込み、

翌朝、榮が目を覚ますと艶はもう起きていて、囲炉裏には赤々と火が燃え、鍋には湯気が上がっていました。

しかもこれが・・・。


「艶・・・。これ・・・何入れた・・・?」

「単なるお粥ですわよ?お米と水と、お塩と・・・。」

「・・・。じゃあ何でこんな味になるんだ?」

「美味しいでしょう?隠し味に色々いれたんです。」

「色々ってなんだよ!それのせいだよ絶対!!」

「隠し味は隠すものでしょう?教えちゃったら意味無いじゃないですか。」

「意味・・・違うと思うんだけどなぁ・・・。」


艶はとんでもない味音痴だったようです。お気の毒様・・・。

しかし、文句を言いつつも、榮はせっかく自分の為に早起きして作ってくれたんだからと、

最後までそのお粥みたいなものを平らげました。

このままじゃ、殺されるんじゃないかしら・・・?


「縁起の悪い事言うな。大体、彼女は一晩だけ泊めてくれって言ったんだぞ?」

ところが、そうは言ったものの榮は母親を亡くしてからずっと一人で生活して来ました。

料理が殺人的に不味くとも、掃除をしようとして色んな物を壊されようとも、洗濯物が破れようとも、

久しぶりに感じる人の温かさに、少しずつ幸せな気持ちになっても来ていました。

次の日も、その次の日も、艶は出かける様子も無く榮の為に働き続けました。


「実は、私には行く所なんて無いんです。

こんなに役立たずな私ですが、ずっとここに置いてはくれませんか?お酒ならたくさんありますから、ね?」


売りにしてるとこ、ちょっと間違ってますね。


「実は・・・。ごめん、俺酒飲めないんだ。」

「まぁ。」


問題はそこじゃないでしょ!?


「仕方ないですね。お世話になりました。」


えっ!?そんなんで諦めるの??


「艶!いいんだ。君が家事が出来なくても・・・。俺の為に一生懸命だってことはすごくわかってるから。」

「榮さま・・・。私と・・・私と・・・。結婚してください!!」

ええっ!これは急展開!!榮にもついに春が!?

「え・・・。それはちょっと・・・。」


断るんかいっ!こんな雰囲気にしといて断るの!?


「俺・・・。貧乏だし・・・。」

「わかってます。」

「頼んないし・・・。」

「知ってます。」

「うっ!」


あ。傷ついた。


「でも、あなたは優しいお人です。

雪の日のあの日、あなたが私を快く泊めてくださらなかったら、私は今頃どうなっていたことか・・・。」


単に押しに弱いだけですよね?そもそも勝手に入ってきたのはあなたじゃないですか。


「ありがとう。艶、君がいると、この家はとても賑やかで明るくなるんだ。

こんな俺でいいなら、ずっと一緒にいてくれ。」

「榮さまっ!!」

「艶っ!!」


あー、はいはい。そんな訳で二人は夫婦になりました。

それからというもの、二人はかなりのラブラブで・・・あら、死語でしたかしら?

まぁいいわ。それはもう、目も当てられない程で、私は見ているだけで呼吸困難を

起こしそうな程、甘ったるい生活を送っていました。そんなある日・・・


「榮さま!私、機を織りたいの!機場を作ってくださらない?」

「機場?おまえ、織物なんて出来るのか?」

「今思い出したの!私、これだけは大得意だわ!」


遅っ!もっと早くに気付いていれば良かったのに・・・。

と、まぁそんな感じで、嫁に甘い榮は機織をする部屋を作りました。

すると、艶はその部屋に入ろうとして、思いだしたかのように榮に一言告げました。


「機を織る所を見ないと、約束してくださいね?この部屋は、決して覗かないように。」

「あぁ。約束するよ。」


榮は何だか不思議に思いましたが、艶に約束しました。


「絶対ですからね!♪指きりげんまん、嘘ついたらハリセンボン飲ます!指切った!」

「・・・艶・・・。それはハリセンボンではなくて、針、千本だ。ハリセンボン飲ましてどうするんだよ・・・;」


ハリセンボン。それは体長約20cmの魚で、敵などにおそわれ興奮すると、

胃に大量の水を飲み込み、体を膨らませて針をたてる。日本海では冬の季節風により打ち上げられることがある。

無毒でおいしい。


「何!おいしいのか?それなら尚更意味が無い。」


ちょっと。ツッコムとこ間違ってますよ?食べたらおいしいけど、飲むのはちょっと・・・。


「何でもいいです。とにかく、約束は守ってくださいね?」


♪とんとん からり とん からり。


毎日響いていた機の音が、ようやく止みました。

艶はりっぱな反物を手に、機場から出てきて、榮にそれを握らせました。


「(明るく)これを町に持って行って、売って来てもらえますか?きっと、いい値段で売れますよ。」

「た・・・確かにりっぱな物だが・・・。本当にお前が織ったのか?」

「(冷たく)疑ってらっしゃるの?」

「い・・・いや・・・。そういう訳では・・・;」

「ふぅん?(哀しげ)どーせ私は他の家事はまったくといって出来ないですよ?

だけど、織物は得意だって申しましたのに・・・。

(涙ぐんで)榮さまは艶のことをうたぐってらっしゃるのですね?」

「ちっ違う!泣くな!すぐ行って来るから!!」


女の涙に弱い榮は、ビクビクしながら艶を慰め、慌てて町へ向かいました。

これは見事なものだと、町の人々は押し合い圧し合いの大騒ぎ。

危うく榮は押しつぶされて気を失う所でした。あはは。(笑)


「笑うな!!こっちは本気で命がけなんだぞ!!」


(全然心を込めないで)ごめん、ごめん。するとですね。

その町の一番の金持ちが現れて言いました。これは普通の織物ではないと。


「・・・やっぱり、そうは思っていたが、艶の奴。普通じゃなかったんだな。」


は?


「いや、こっちの話。」


それは鶴の羽衣と言って、滅多に手に入らないすばらしい物なんだそうですよ?

艶ってば、泥棒でもしてきてるんじゃ・・・。


「滅多なことを言うな!いくら君でも艶の事を悪く言うなんて許さないぞ!」


失礼しました。仮にもあなたの奥様ですものね。


「仮にもは余計だが・・・。艶の悪口を言っていいのは俺だけだ!」


は?変な独占欲ですね。

とにかく、榮はその金持ちに大金をたくさん積まれて、ほくほくしながら家に帰りました。


「よかった・・・。私にも役に立てることがあって。」


艶は心から嬉しそうに微笑みました。たぶん。


「何?たぶんって。」


いーえ。


「それでな。艶。皆に、自分にも自分にもと頼まれたんだ。

予約カードにきちんと記名してもらったから、またこの人数分織ってくれないか?」

予約カード?図書館か何かですか?っていうか、なんでそんなもの用意出来てるの!?

「わかりました。榮さまの為なら織りましょう。でも、私の織るところを決して・・・」

「見ません!!」

「(偉そうに)よろしい。(優しくなって)いい子で待ってて下さいね?」

「はぁーい!」


(歌のお姉さんチックに)元気いいですねー。って!何飼い慣らされてるんですか!

それでも一家の主ですか!?しっかりしてくださいよ。


「あー。はいはい。」


♪とんとん からり とん からり


艶は、榮の言うとおり、毎日毎日布を織りました。

その布の精度は落ちる事も無く、いつもとても美しく丁寧に織られていました。


「あんなに、何に関しても不器用な艶が、どうしてこんなにもすばらしいものが織れるのか・・・。」

艶は、どうやってあれを織ってるんでしょうね。

「気になるのはそこだけじゃない。確かに毎日働いて大変なのはよくわかる。

だが、布を織る度に痩せ細っていっているのは気のせいだろうか。」


確かに、ちょっと激痩せですね。いいダイエット法があるなら教えて欲しいものですけど。


「・・・。あーもう我慢できない!!大丈夫。ほんの少し覗くだけだ。」


(大声)ダメー!!


「あれ?デジャヴか??」


艶と約束したんでしょ?覗かないって!

「それはそうだけど・・・。」


♪よーく考えよー 約束大事だよー


「♪るーる。るーる、るるるー

じゃなくって!用は、覗いたことを艶にバレなければいいんだろ?」


ダメだって!!何か不吉な予感するもん!


「なんだそりゃ。そんなもん当たんのか?」


女の勘ほどよく当たるものは無いって!


「でも、強盗じゃなかったじゃないか。」

いつの話してんのよ!ハリセンボン飲ますぞコラ!

「どっこいしょ。」


って!人の話聞かんかい!勝手に開けるな!


「な、何じゃこりゃーー!!!」


え?何?何?


「・・・。(恨めしく)見〜た〜な〜」


きゃ〜!お化けっ!!って違うし!!


「な・・・何なんだ?艶はどこへ行った?」


目の前に居るのは艶では無く、一羽の鶴と・・・。小人さん??


「♪とんとんからり、とんからり。ここの主人はお人よし。

可哀想な艶お助けに。とてもいい人間違いない。

とんとんからり、とんからり。だから僕らが恩返し。

美しい艶不器用で。僕たちに助け求めたの。

とんとんからり、とんからり。」


かわいぃー!!


「何何だ?何が一体・・・。これじゃぁ、グリム童話の小人の靴屋じゃないか!」


そうみたいですね。当の本人熟睡してますし。


「本人―?」


まだ気が付いてないんですか?今ご丁寧に小人さんたちが歌って説明してくださったじゃないですか。


「俺が艶を助けた・・・?って、雪の日に拾った事じゃないのか?」


その前にあったじゃないですか!あの、ネズミ捕り!


「あぁーー!あの時の鶴!!」


そうですよ!艶は、あの時の美しい鶴の化身だったんです。なんだかオチが普通過ぎて面白くないわ。

小人さん、さっきの声で消えちゃったし・・・。


「おまえは日頃から何を求めてるんだ?」


さぁ?


「・・・艶?・・・艶?」


榮はそっと艶に近寄り、約束の事なんかすっかり忘れて揺すり起こしました。


「ぅ・・・ん・・・。と・・・、獲ったぁーー!!」

「うが!」


が、顔面掴んでる・・・。激しい寝起きだな。おい。どんな夢見てたんだろ・・・


「何を獲っとるんだ君は!人の顔を掴むな!痛いから。

ぅ・・・ぐ、あの・・・痛い。爪・・・、真剣に痛いですごめんなさい。離してください。お願いします!」


「さっ榮さま!ごめんなさい!・・・って!きゃぁぁぁぁっ!何でここに!」

「君こそ何で寝てるんだよ・・・。」

「約束したのに!絶対見ないって!覗かないって!針千本飲んで死んでやる!」

「君が死んでどうするんだよ!」

「とにかく、額から流れてる血、何とかしてください!!」

「あ?」


きゃぁぁっ!流血してるぅ!


「ってそれ、私の所為ですね!ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」

「いいよ。そんな事より、これがどういうことか説明してくれるかな?折角の羽が赤く染まっちゃうよ?」

「榮さま・・・。私は何年か前に助けていただいた例の鶴です。

あの時からお慕い申し上げておりました。貴方様の側に居たい。

貴方様のお力になりたいと、日々考えておりました。

しかし、私は有り得なく不器用で、榮さまのご迷惑ばかり・・・。

そこで、あの小人たちに私の羽根を使って、鶴の羽衣を織ってくれるよう頼みました。」


「そうか・・・。だから君は最近どんどん痩せて・・・。」


そんなダイエット法じゃ、私は使えませんね。残念。


「艶。もうそんな事考えなくてもいい。君は俺の側に居てくれるだけで十分だ。

君が人間じゃなくてもいい。羽衣なんて無くたっていい。

貧乏暮らしにゃ変わりないが、のんびり生活していこうじゃないか。」

「(泣きそうに)榮さまぁっ私っ私っ!」


ダメですよ。そういうわけにいかないのが物語りってものです。

正体を知られてしまった鶴は、ここを去らなくてはならないのです。


「そんな・・・。本当なのかい?艶。」

「いいえ。そんな掟は存在しません。騙されないで、榮様!

こんな何年もここに住んでいて、本気で私があなたの声を察知出来ないとお思いで?

これでも私は数年前まで野生の鶴でしたのよ?」


ぎくり。


「今まで何の害も無かったから、放置していましたけれど、もうそうも言ってられません。


榮さまを、どうやって言いくるめたのかは知りませんけど、去って行くのは貴女の方です!この貧乏神!!」


「え、おまえ・・・そうだったのか!?これは急展開!」


な、何をおっしゃてるのか私にはよく・・・。私はただのナレーター・・・


「貴女が居る限り、いくら機を織っても裕福にはなれないわ。さようなら、貧乏神さん。

これは、小人さんたちが最後に私に残してくれたプレゼント・・・。」


げっ!それは・・・


「リッチハイパワーZ??」

「これ一吹きで、貴方もリッチな日々を・・・。」

「は?何なんだ?ただのスプレー缶じゃぁ・・・」

「榮さま!鼻、摘んでてくださいね!!」

「え??」


ぷしゅぅぅぅぅーーーーーーーーー!!!!


「そんな訳で、私たち夫婦は今まで織った羽衣を今までと比にならないくらい高値で全て売り払い、
リッチな生活を満喫した日々を送りました。」   

END